字を書く機会が減った現代だからこそ、「万年筆」は知的さを主張できる存在。
今回は、万年筆デビューしたい人におすすめな、初心者の万年筆選びのポイントや、おすすめ商品をご紹介します。
1.万年筆の魅力
・なぜ人気?
万年筆は、ただ文字を書くだけでなく、その成長過程も楽しめる筆記用具です。
まず、万年筆にはインクが入っていません。
インクは自分で選び、自分で入れるものであり、それが万年筆の醍醐味なのです。
また、万年筆のペン先は使い込むほどに自分の書き方に馴染んできます。そして、なめらかに使いやすくなっていきます。
使い続けた万年筆は自分だけにあった1本へと成長していきますよ。
自分にあったペン先で、好みのインクの滲みや濃淡を楽しみながら文字を書く時間は、日常とは少し違った世界観を楽しむことができますよ。
しかし、万年筆はこまめなお手入れや洗浄を必要とします。
使い方に気を使うイメージがあるため、どちらかというと上級者向けな筆記具でもあります。
ですが逆に、丁寧に手をかけながら育てるほど、愛着のある万年筆となりますよ。
・構造について
万年筆は、メーカーによって作りや名称は異なりますが、主要の構造は同じです。
万年筆にとって重要なポイントは「ペン先」「ペンポイント」「ペン芯」の3つです。
・ペン先
万年筆のペン先は、金の素材が代表的です。
その理由は、インクの酸に侵されず、適度な弾力性による書き味が楽しめるからです。
14金・18金・21金とメーカーによって様々なペン先の万年筆が販売されています。
一般的に、金は数字が大きいほど柔らかくなります。
ただし、ペン先の形や厚みといった形状の違いで硬さ・弾力が変わります。
なので、たとえば同じ14金のペン先でも、書き味は異なることもあります。
ちなみに、最近では腐食しにくいスチール素材のペン先も存在しています。
スチールのペン先は比較的安価で、万年筆ビギナーさんにもおすすめですよ。
・ペンポイント
万年筆で文字を書くときは、一定の筆圧を持って紙の上を走り続けます。
14金・18金・21金といった金を用いた柔らかいペン先では、先端が摩耗してしまうこともあります。
これを防ぐために、万年筆はペン先の先端に「ペンポイント(耐摩耗合金)」が付いています。
字幅(EF/F/M/B等)やインクフローなどは、このペンポイントに影響されるのです。
・ペン芯
ペン芯とは、万年筆のペン先にインクを送るための部品です。
文字を書いたときに、ペン先から流出したインクの分だけ万年筆胴内に空気を入れます。
その独特な形状を利用した毛細管現象で、次から次へと書き続けることができる仕組みになっています。
ペン芯は、万年筆の心臓と呼ばれるほど重要な部分となっています。
2.インクの入れ方
2-1.吸入式
吸入式は、ボトルインクを用いてペン先からインクを吸い上げ、ペン内部にインクを貯めて使用する方法です。
昔から用いられている方法で、一度に大量のインクを吸入できるのがその魅力です。
カートリッジインクと比べると、吸入式は吸入やお手入れに少し手間がかかります。しかし、豊富なカラーバリエーションを楽しむことができますよ。
万年筆に慣れてきたら、ぜひ自分好みの色のインクを探して、吸入してみましょう。
2-2.両用式(コンバーター式)
両用式は、取りはずし可能なインク吸入器であるコンバーターを装着し、吸入式のように直接ペン先をボトルインクにつけインクを吸い上げます。
コンバーターの代わりに、カートリッジインクを装着して使用することも可能です。
2-3.カートリッジインク式
カートリッジインク式は、インクがカートリッジと呼ばれるビニールパックに入っていて、ペン内部に差し込む形で使用する方法です。
使用が簡単なため、携帯にも向いていますよ。
ボールペンやシャープペンに慣れている人は、まずこのカートリッジ式インクを試してみることをおすすめします。
また、カートリッジ式万年筆でも、コンバーターを使えば吸入式万年筆と同じようにインクボトルから吸入して使用することもできますよ。
3.基本的なお手入れ方法
3-1.吸入式
吸入式でインクが残っている場合は、吸入ノブを左に回してタンク内のインクを抜いて、空にしましょう。
次に、水の中にペン先全体を入れ、吸入ノブを左右に回して水の出し入れを繰り返し行いましょう。
何度か容器内の水を交換し、インクの色が出なくなるまで洗います。
最後に、流水で軽くすすぎ、ティッシュペーパーや柔らかい布などで水分を拭きとれば完了です。
3-2.両用式(コンバーター式)
両用式は、まずコップに水を用意します。
そして、コンバーターを装着したまま、ペン先をコップに入れ、きれいになるまで水を出し入れします。
インくを吸入するように、水を繰り返し出し入れすることで簡単に洗浄することができますよ。
汚れがひどい場合には、カートリッジと同様に、ペン先をコップにつけておくことをおすすめします。
最後にティッシュペーパーや柔らかい布などで水分をよく拭き取ったあと、乾かしたら終了です。
3-3.カートリッジインク式
カートリッジインク式は、まずコップに水を用意します。
そして、カートリッジをまっすぐ引き抜き、ペン先ごとコップに入れます。
コップに入れておく時間は通常1、2時間ほどですが、汚れがひどいときや、しばらく使っていなかったときには、水に一晩入れておくとより効果的ですよ。
また、ペン先を入れた直後は、水がインキで濃く染まることがあります。
なので、数回水を交換して、きれいな状態で行いましょう。
コップからペン先を取り出したら、首軸からペン先に向けて流水で洗い流し、ティッシュペーパーや柔らかい布などで水分をよく拭き取りましょう。
乾かしたら洗浄は終了です。
4.万年筆の持ち方と書き方のポイント
万年筆の基本的な持ち方・書き方は、まず力を抜いて、紙の上を滑らせるように書きます。
万年筆の持ち方は、ボールペンなどの他の筆記具と同じです。
ただ、筆圧をかけなくても書けるのがポイントです。
キャップは自分の好みによって本体の後ろに差しても、外しても大丈夫です。
文字を書くときには、ペン先の刻印のある面を表向きにして、ボールペンよりもやや寝かせ気味に書きます。
万年筆はペン先を紙の上に置いただけでもインクが出てくるので、強い筆圧は必要ありません。
力を抜いて、紙の上を滑らせるように書くきましょう。
以上のポイントさえ押さえれば、万年筆は手軽に使える筆記具です。まずは気軽にトライしてみましょう。
また、万年筆を使用していないときには、ペン先の保護やインキの乾燥を防ぐためにキャップを閉めるようにしましょう。
万が一、インクが乾いて出なくなった場合は、ペン先に柔らかい布をあて、ペン先からインキをにじませるようにするといいですよ。
5.初心者はここから!人気の万年筆5選
①ラミー 万年筆 LAMY 限定色 サファリ 全7色
- ラミー 万年筆 LAMY 限定色 サファリ 全7色
- 参考価格:2,640円 (税込)
世界中の筆記具ファンから絶大な支持を集める、ラミーの定番シリーズです。
軽くて丈夫な樹脂製ボディのグリップ部分には、誰もが正しくペンを握れるようにくぼみが設けられています。
大型のワイヤー製クリップは、デニムなど厚手のカジュアルウェアのポケットにもしっかりとグリップできますよ。
時折リリースされる特別カラーの限定モデルは、常に筆記具ファンやデザインプロダクトを愛するユーザーの注目の的となっています。
②プラチナ 万年筆 PLATINUM #3776 センチュリー
- プラチナ 万年筆 PLATINUM #3776 センチュリー
- 参考価格:10,725円(税込)
スタンダードでふくよかなバランス形状で、キャップリングの刻印をエッチングに変え、ロゴが立体的に浮かび上がる手の込んだ作りになっています。
細部へのこだわりにより全体の上質さがより高まっています。
#3776センチュリーシリーズの特徴である「インクの乾燥を防ぐ完全機密のスリップシール機構」を搭載しています。
いつでもさらっと書き出せ、年に1~2回しか 使用しないユーザーでもフレッシュなインクの状態で筆記することができますよ。
#3776(サン・ナナ・ナナ・ロク) は、『ミスター万年筆』と称された作家、故梅田晴夫氏と研究グループにより「理想の万年筆」を作るべく設計されました。
1978年に発売されて発売後6ヶ月で15万本もの売上を記録して以来、多くの愛好家を持つベストセラー万年筆です。
名称は、日本最高峰の品筆を目指し、富士山の標高を表わす数字にちなんでつけられました。
③パーカー 万年筆 名入れ 【 PARKER IM 万年筆 】
- パーカー 万年筆 名入れ 【 PARKER IM 万年筆 】
- 参考価格:8,780円(税込)
世界で最も愛されているペンPARKER(パーカー)の万年筆です。
パーカーは1888年にジョージ・サッフォード・パーカーが創設した120年以上もの歴史を持つ老舗ブランドです。
洗練されたクラシックなデザインはビジネスにもピッタリですよ。
また、名入れ専門店のこだわり名入れで、男性への贈り物にもおすすめです。
④万年筆 名入れ ペリカン 万年筆 新品 スーベレーン400 M400
- 万年筆 名入れ ペリカン 万年筆 新品 スーベレーン400 M400
- 参考価格:33,440円(税込)
老若男女問わず人気のスーベレーンM400は、日常使いに最適なサイズです。
ピストン吸入式を採用していて、ボトルインクからの本格的な吸入を楽しめます。
⑤PILOT 万年筆 COCOON<コクーン> F・M<細字・中字> 全8カラー
- PILOT 万年筆 COCOON<コクーン> F・M<細字・中字> 全8カラー
- 参考価格:2,310円(税込)
PILOT(パイロット)の手軽でおしゃれなCOCOON(コクーン)は、とても素敵なシルエットで、滑らかなボディが特徴です。
コクーンは、今を生きる20~30代の感性をダイレクトに刺激する新ブランドです。
未知の世界へ羽ばたくとき、大人として社会に踏み出すとき、自分らしさを貫くと決めたときに、未来を描き出す力を与えてくれますよ。
6.まとめ
今回は、万年筆デビューしたい人に向けて、万年筆の使い方やおすすめ商品をご紹介しました。
ぜひ参考にされて、素敵な万年筆ライフを送ってみてくださいね!